セクシャリティ
アセクシャルとは?特徴・割合・ノンセクシャルとの違い
アセクシャルとは、他者に対して性的欲求を抱かない人のことで、「無性愛者」とも呼ばれます。しかし、「恋愛感情を抱かない」「愛情がない」などと誤解されることも多いため、アセクシャルについての理解を深めていくことが大切です。本記事ではアセクシャルの特徴や割合、よくある悩みなどを紹介します。
アセクシャルの「結婚」や「あるある」についてはこちらの記事も参考にしてください!
目次
アセクシャルとは
アセクシャルとは、他者に対して性的欲求を抱かない人のことで、他にも以下のような呼び方があります。
・エイセクシャル
・アセク
・Aセクシャル、Aセク
・無性愛者
アセクシャルには恋愛感情の有無は関係ありません。つまり、恋愛感情は抱くが性的欲求は抱かないという人もいれば、恋愛感情も性的欲求も抱かないという人も存在します。
そのため、アセクシャルであっても、一概に愛情や結婚願望を持っていないというわけではありません。
アセクシャルの特徴
アセクシャルは、他者に性的欲求を抱かない点が特徴です。「性交渉に魅力を感じない」「性交渉に嫌悪感を抱いている」などの傾向があります。
アセクシャルには恋愛感情の有無は関係ないため、アセクシャルのなかでも人によって恋愛感情を抱く場合とそうでない場合に分かれます。
また、アセクシャルは必ずしも先天的なものではありません。何らかの要因から後天的に性的欲求を抱かなくなることもあり、いつからアセクシャルになるかには個人差があります。
アセクシャルの見分け方
「もしかすると自分はアセクシャルかもしれない」と気になる方向けに、チェック項目をいくつか紹介します。参考程度にご覧ください。
・性交渉に魅力を感じない
・性交渉に嫌悪感を抱いている
・性交渉は必要ないと思っている
・性交渉に抵抗はないが大ごとには思えない
・性交渉に関する会話や話題についていけない
・性交渉への興味の持ち方が他者とは違う
・露出の多い服装を見ても「寒そう」としか思えない
・ドラマや映画などにある性交渉のシーンは不要・つまらないと思う
関連するセクシャリティとの違い
アセクシャルと似たセクシャリティに、以下3つのセクシャリティが挙げられます。それぞれの意味や特徴についてみていきましょう。
・ノンセクシャル
・グレーセクシャル
・アロマンティック
アセクシャルとノンセクシャルの違い
ノンセクシャルは、恋愛感情は抱くものの、他者に性的欲求は抱かないセクシャリティです。ロマンティック・アセクシャルと呼ばれることもあります。
一方アセクシャルには、恋愛感情の有無は関係ありません。そのため、ノンセクシャルはアセクシャルの一種といえます。
アセクシャルとグレーセクシャルとの違い
グレーセクシャルは、他者に性的欲求を抱くことが限りなく少ない、特定の条件や状況下では性的欲求を抱くセクシャリティです。
性的欲求を抱かないセクシャリティをアセクシャルと呼び、アセクシャルの反対の意味の言葉で、に平常的に性的欲求を抱くセクシャリティをアロセクシャルといいます。そして、グレーセクシャルは、アセクシャルとアロセクシャルのあいだのどこかに位置するセクシャリティといわれています。
そのため、グレーセクシャルでは性的欲求を「あるかないか」で考えるのではなく、「どの程度あるか」で考えるとよいでしょう。
アセクシャルとアロマンティックの違い
アロマンティックは、他者に対して恋愛感情を抱かないセクシャリティです。性的欲求の有無は関係ありません。
一方アセクシャルは、恋愛関係の有無に関わらず他者に性的欲求を抱かないという特徴があります。このように、アセクシャルとアロマンティックの違いは、セクシャリティを判断するために着目する要素が異なる点です。
また、他者に恋愛感情も性的欲求も抱かない人を、アロマンティック・アセクシャルと呼ぶこともあります。
アセクシャルの割合は1%程度
大阪市民を対象に実施されたアンケートによると、アセクシャルの割合は0.8%という結果になっています。アセクシャルの割合を出生時の性別でみると、男性は0.3%、女性は1.1%でした。
また、アメリカの著名な作家ジュリー・ソンドラ・デッカーは、人口の100人に1人がアセクシャルであるといっています。そのため、アセクシャルの割合は全体の1%程度と推測できます。
出典:「働き方と暮らしの多様性と共生」研究チーム「大阪市民の働き方と暮らしの多様性と共生にかんするアンケート」
【あるある】アセクシャルの生きづらいと感じる瞬間
アセクシャルで「生きづらい」と感じたことのある人は少なくありません。そこで、アセクシャルの人が抱える悩みや生きづらいと感じる瞬間を7つ挙げてみました。
パートナーとの関係を維持しづらい
パートナーがアセクシャルではない場合、関係を維持しづらいという悩みがあります。現状、恋愛関係にあれば性交渉をするのが普通だと認識されているため、パートナーから性交渉の誘いを受けることもあるでしょう。
しかし、こういった場面で性交渉を断ったり意欲的でなかったりすることで、パートナーが「満足できない」「違和感を覚える」など、破局の原因になることがあります。
とくに、アセクシャルをカミングアウトしていない場合、パートナーにとっては性交渉を断られることが辛かったりストレスに感じたりするでしょう。
カミングアウトしている場合でも、性交渉ができないまたはしづらいことがストレスで、破局につながるケースもあるようです。
パートナーを見つけづらい
アセクシャルのなかには、パートナーや結婚相手が欲しいと考える人もいます。しかし、世の中には、恋愛関係にあれば性交渉をして当たり前という考えが定着しています。そのため、アセクシャルを理解してくれるパートナーを見つけづらいというのが現状です。
また、過去に自分がアセクシャルであることが原因でパートナーを傷つけてしまったという経験があり、パートナー探しに積極的になれないといったこともあるでしょう。
性に関する会話についていけない
友達や同僚と会話をしている際、性に関する話題で盛り上がることもあるでしょう。しかし、性的欲求を抱かないアセクシャルにとっては「興味がない」「面白くない」など、話についていけないことが多々あります。
そのため、話を振られても「反応しづらい」「話したくない」と、生きづらさを感じてしまうのでしょう。
異性との距離感が分からない
アセクシャルは、他者を性的対象として見ていないため、普通に接しているつもりが、相手は異なる解釈をしていたというケースがみられます。友達として出かけていたつもりが、相手は付き合っていると思っていたなどが例として挙げられます。
このように、他者を性的対象と見ていないばかりに異性との距離感が掴めず、結果として相手を傷つけてしまうということもあるようです。
ドラマ・映画・小説などに感情移入できない
ドラマ・映画・小説などには、恋愛をテーマにしたものや性交渉のシーンが含まれるものなど、さまざまな作品が存在します。しかし、アセクシャルは性的欲求を抱かず、人によっては恋愛感情も抱かないため、作品に感情移入できないという悩みがあります。
例えば、話題の恋愛ドラマについて友達と話しても、どの場面がよかったかを理解できず、話がかみ合わないといったこともあるでしょう。このように、周りが夢中になっているものを理解できないという悩みを抱える人は少なくありません。
カミングアウトしづらい
アセクシャルであることを家族やパートナーにカミングアウトしづらいと悩んでいる人は多いでしょう。
「親が悲しむのではないか」「パートナーとの関係が壊れてしまうのではないか」「友達から避けられるのではないか」など、カミングアウトに関する悩みはつきません。
また、カミングアウトしていない状態においても、他者との会話で嘘をついたり、隠していることに対して後ろめたさを感じたりするなどの悩みを抱えることもあるでしょう。
ただし、カミングアウトは強制されるものではなく、個人の自由です。カミングアウトをすべきかそうでないかは自分でよく検討し、答えを急ぐ必要はありません。
他者と違うことが悩ましい
アセクシャルのなかには、まだ自分がアセクシャルであることに気づいていない人もいます。アセクシャルだと気づいていない段階では、他者との考え方や価値観の違いに悩むことがあります。
アセクシャルに気づくキッカケやタイミングは人それぞれです。たまたま見かけた記事やドラマでアセクシャルの存在を知ったり、婚活を経て周りとは共感できないことから自分がアセクシャルだと気づいたりすることもあるでしょう。
そのため、セクシャリティを明確にしようと急がず、自分のセクシャリティについてじっくり向き合うことが大切です。
まとめ
アセクシャルは、恋愛感情の有無に関わらず、他者に性的欲求を抱かない点が特徴です。「性交渉に魅力を感じない」「性交渉に興味がない」「性交渉に嫌悪感がある」などの傾向がみられます。また、アセクシャルは外見や他人から判断できるものではありません。そのため、自分のセクシャリティと向き合い、まずは自分で自分を理解することが大切です。
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