トランスジェンダーとは?特徴や性同一性障害との違い

トランスジェンダーとは、心の性と体の性が異なるセクシャリティのことです。性同一性障害と同じ意味として認識されがちですが、実際には異なる意味を持ちます。本記事では、トランスジェンダーの意味・特徴・見分け方をはじめ、性同一性障害との違いなど、詳しく解説していきます。

トランスジェンダーとは

トランスジェンダーとは、心の性と体の性が異なるセクシャリティです。例えば、出生時に男性と割り当てられたが、自分では女性だと自認しているなどが挙げられます。

体の性が女性・心の性が男性の人は「トランスジェンダー男性(トランス男性)」、体の性が男性・心の性が女性の人は「トランスジェンダー女性(トランス女性)」と呼ばれます。

また、自分がトランスジェンダーであることに気づくタイミングは人それぞれです。しかし、トランスジェンダーと認識している人の多くが、小学校入学以前から性別に対して違和感を持っていたという傾向があるそうです。

トランスジェンダーを決める2つの要素

トランスジェンダーであるかを決める要素には、以下の2つが挙げられます。

身体的性 出生時に割り当てられた性。体の性と呼ばれる。
性自認 自分が認識している性。心の性と呼ばれる。

身体的性と性自認の性が異なる場合は、トランスジェンダーの可能性があります。

ただし、身体的性にかかわらず、性自認が「男性と女性のどちらでもない」「男性と女性の両方」など、性自認は男性と女性の2つに限定されるわけではありません。

トランスジェンダーの特徴

トランスジェンダーは、身体的性と性自認が一致しないことに対して「ストレスを感じる」「違和感がある」「嫌悪感を抱く」などの傾向があります。場合によっては、性別適合手術を望むこともあるようです。

また、性別適合手術を望むもしくはすでに終えている人を、「トランスセクシャル」と呼ぶことがあります。

ただし、トランスジェンダーはあくまでも「身体的性と性自認の性が異なる状態」を意味します。そのため、必ずしも手術を望んだり、ストレスを感じたりするわけではありません。

トランスジェンダーと性同一性障害の違い

トランスジェンダーは、性同一性障害と混同して認識されている場合があります。しかし、トランスジェンダーと性同一性障害は異なる意味を持ちます。

性同一性障害とは、身体的性と性自認が一致しておらず、性別適合手術を望む状態のことです。医学的には「精神障害」として分類されていました。一方トランスジェンダーには、性別適合手術を望まない人も存在するという違いがあります。

ただ、性同一性障害が身体的性と性自認が異なり手術を望む状態であっても、それが果たして「精神障害」であるかには疑問が残ります。こういった背景から、性的マイノリティの運動が活発化したり、医師の理解が深まっていきました。

その結果、現在では「性同一性障害」は精神障害の分類から除外され、名称も「性別不合」へと変更されたのです。

トランスジェンダーの割合は1%以下

大阪市民を対象に行われた調査によると、トランスジェンダーの割合は0.7%と、1%以下程度であることが分かりました。

トランスジェンダー以外の「レズビアン」「ゲイ」「バイセクシャル」「アセクシャル」などの性的マイノリティを含めると、3~10%程度になるといわれています。

出典:NIJI BRIDGE「日本のLGBT人口は約3%〜8%(大阪市での調査)

トランスジェンダーになる原因

現段階では、トランスジェンダーになる原因は明確になっていません。「遺伝子が関係している」「遺伝子に異常が起こっている」など、遺伝子によるものだという説もあります。

しかし、明確な原因は判明していないため、トランスジェンダーはあくまでもセクシャリティの一種・個性として捉えることが適切です。

トランスジェンダー以外のさまざまなセクシャリティ

性的マイノリティには、トランスジェンダー以外にもさまざまなセクシャリティが存在します。そこで、トランスジェンダー以外のセクシャリティを表にまとめました。

ただし、以下の表で紹介しているセクシャリティは、ほんの一部のセクシャリティです。すべてを覚える必要はありません。「こんなにもたくさんのセクシャリティが存在しているんだな」と認識してもらえれば幸いです。

セクシャリティ 意味
レズビアン 性自認が女性で、性的指向が女性に向く人。女性同性愛者。
ゲイ 性自認が男性で、性的指向が男性に向く人。男性同性愛者。
バイセクシャル 性的指向が男性と女性のどちらにも向く人。両性愛者。
クィア/クエスチョニング 性自認や性的指向が定まっていないまたは決めたくない人。
パンセクシャル 相手の性別に関係なく恋愛感情を抱く人。男性・女性・中性・どちらでもない人など、すべての性が対象。
アセクシャル 恋愛感情の有無にかかわらず、他者に性的欲求を抱かない人。
グレーセクシャル 恋愛感情の有無にかかわらず、他者に性的欲求を抱く程度が少ない人。特定の条件や状況下では性的欲求を抱くこともある。
ノンセクシャル 他者に恋愛感情は抱くが、性的欲求を抱かない人。アセクシャルの一種ともいえる。
アロマンティック 性的欲求の有無にかかわらず、他者に恋愛感情を抱かない人。
Xジェンダー 性自認が男性と女性のどちらにも当てはまらない人。男性と女性のあいだである「中性」、男性と女性の両方の「両性」、男性と女性のどちらでもない「無性」、時には男性で時には女性と流動性を持つ「不定性」などが挙げられる。

LGBTQについての詳しい解説はこちらの記事をご覧ください>>

まとめ

トランスジェンダーとは、身体的性と性自認の性が一致しないセクシャリティのことです。精神障害として扱われていた「性同一性障害」とは、意味や概念が異なります。そのため、トランスジェンダーと性同一性障害を混同して使うと、差別的な表現になってしまいます。トランスジェンダーをはじめ、性的マイノリティに対する正しい知識を身につけることが大切です。

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代表中村
著者:代表中村

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