子どもの作り方は多様化している!性交渉以外の選択肢も
カップルや夫婦のカタチが多様化している現在、同時に子どもの作り方も多様化しており、なんらかの事情で性交渉ができない夫婦でも、さまざまな方法で子どもを授かるケースが増えています。本記事では、性交渉以外の選択肢も含めて、多様な子どもの作り方について解説していきます。
目次
子どもの作り方が多様化している背景
子どもの作り方が多様化している背景には、恋愛結婚以外にも友情結婚や契約結婚など、結婚する方法や夫婦のあり方が多様化していることが挙げられます。
例えば、友情結婚した夫婦は基本的に性的な関係を持たないため、性交渉によって子どもを授かることはできません。また、夫婦共働きが一般化している現代では、夫婦2人の時間を確保しにくいケースもみられ、性交渉以外の方法で子どもを授かるという選択をする夫婦も増えているようです。
このように、さまざまな事情で性交渉ができない夫婦は存在し、性交渉以外の方法で子どもを授かる人が増えています。
子どもを作る方法|性交渉以外の選択肢も
性交渉以外の方法も含め、子どもを作る4つの方法を紹介します。
①タイミング法
タイミング法は、妊娠する可能性の高い時期を医師が予測し、その周辺の時期に性交渉を行って妊娠を目指す方法です。性交渉をともなう方法ではありますが、不妊治療の入り口としてタイミング法を試みる人は少なくありません。
自然妊娠は、自分で基礎体温を記録したり排卵検査薬を用いて排卵日を予測するため、タイミング法と自然妊娠では、排卵日を医師が予測するか自分で予測するかという違いのみです。
一般的にタイミング法は、1か月に1回(3日連日など連続して行うケースが多い)を1周期として、これを6回程度行います。6回目までで妊娠できない場合、タイミング法で妊娠することは困難な傾向があるため、別の方法を検討する必要があるようです。
全国体外受精実施施設ガイドの調査によると、88施設において2015年4月~2016年3月の1年間でタイミング法を行った周期数は34,034件でした。そのうち妊娠した件数が1,784件(=5%)、出産した件数が1,334件(=4%)だったそうです。
自然妊娠による妊娠率は平均20~30%といわれているため、一見タイミング法による妊娠率のほうが低いように感じるかもしれません。
しかし、自然妊娠とタイミング法はどちらも性交渉によって妊娠を目指すもので、そもそも自然妊娠で妊娠できなかった人は、タイミング法を行っても妊娠できる確率は極めて低いといわれています。
そのため、自然妊娠よりタイミング法のほうが妊娠率が低いというわけではないことを理解しておきましょう。もちろん、自分で予測した排卵日がずれていた場合は、タイミング法によって妊娠できる可能性は高まります。
出典:全国体外受精実施施設ガイド「一般不妊治療の状況 | 実施数について | 体外受精の現状」
②シリンジ法
シリンジ法は、針のない注射器のような形をしたシリンジに、男性が採取した精子を入れ、そのシリンジを使って女性自身で膣内に精子を注入する方法です。シリンジ法キットを活用すれば、病院へ通う必要もないため、自宅でできる妊活として人気が高まりつつあります。
10年前、Amazonで「シリンジ法」と検索しても、1件ほどしかヒットしませんでしたが、今では400件以上のシリンジ法キットがヒットするうえ、10年前と比べると値段も高くなっています。
ただ、値段が高くなっているとはいえ、シリンジ法キットは3,000~10,000円程度で販売されており、妊活方法としては比較的安価です。そのため、ハードルの低い妊活方法としても需要が高まっています。
また、シリンジ法は性交渉による妊娠と同程度の妊娠率といわれているため、妊娠率は1周期あたり20~30%前後にものぼります。このように、比較的安価ではじめやすく妊娠率も高いシリンジ法は、今後も需要が増え続けることが予測できるでしょう。
③人工授精(AIH)
人工授精(AIH)は、排卵の時期に合わせてパートナーの精子を子宮内に注入する方法です。受精から妊娠までの過程は自然妊娠とまったく同じであるため、人工授精による体への負担は限りなく少ないといえます。
性交渉による妊娠は精子が膣に入ったあと子宮まで到達するのに対し、人工授精では管を使って精子を直接子宮に注入するため、自然妊娠やタイミング法に比べると精子と卵子が出会う確率が高まるというメリットがあります。
そのため、1回あたりの人工授精の妊娠率は7~8%と、タイミング法に比べて数値が高くなる傾向があり、年齢が35歳未満であれば約90%のカップルが4~6周期までに成功することが多いようです。
ただし、6周期目以降は人工授精による妊娠率は低下するため、体外受精へと移行して妊娠を目指すケースが多くみられます。また、年齢が35歳以上になると、4~6周期まで待たずに体外受精を推奨する医療機関が多いようです。
出典:医療社団法人 楠原ウイメンズクリニック「人工授精法」
:はらメディカルクリニック「人工授精(AIH)|治療スケジュールや妊娠確率、費用などについて詳しく紹介」
④体外受精(IVF)
体外受精(IVF)は、採取した卵子と精子を体外で受精させ、その受精卵を妊娠する可能性の高い時期に子宮へ戻す方法です。受精卵を子宮へ戻してから出産までの流れは、一般的な自然妊娠と変わりありません。
体外受精による妊娠率は13~22%前後にものぼり、タイミング法や人工授精に比べて妊娠率が高く、不妊治療法としては最も妊娠率が高い方法です。2017年には体外受精で56,000人もの、そして2020年には体外受精によって60,381人もの子どもが生まれており、年々数は増えておりこの数値は全新生児の約7%を占めます。
また、年齢が若いほど体外受精による妊娠に成功しやすい傾向がみられ、34歳までの女性が体外受精を行う場合、そのうち約80%の人が3回目の胚移植(=受精卵を子宮へ戻すこと)までに妊娠に成功すると推測できます。
出典:厚生労働省「不妊治療の実態に関する調査研究 最終報告書」
:はらメディカルクリニック「体外受精とは?対象者や治療方法・手順、成功率について」
子どもを作れない方が子どもを迎える方法
自分もしくはパートナーが妊娠して子どもを作るのではなく、子どもを迎え入れるという方法もあります。ここからは子どもを迎える具体的な方法を3つ紹介します。
養育里親制度
養育里親制度とは、なんらかの事情で子どもを育てられない実親に代わって、一時的に子どもを預かり養育する制度です。独身でも一定の条件を満たせば里親になれるため、籍を入れられない同性カップルや事実婚をしている夫婦でも、子どもを迎えることができます。
ただし、親権は実親にあり、里親になったとしても法的な親子関係はありません。また、実親から「子どもを返してほしい」といわれれば引き止めることはできず、突然子ども(里子)と別れなければならないということもあります。
養子縁組
養子縁組とは、子どもを養子として受け入れ、法的な親子関係を結ぶ制度です。養子縁組には「普通養子縁組」と「特別養子縁組」に分類されます。
普通養子縁組は、実親と養親の両方が親権者となるのが特徴で、夫婦でも独身でも養親になることが可能です。そのため、籍を入れられない同性カップルの片方が普通養子縁組を組み、2人で子どもを育てるといったことが可能となります。
ただし、籍を入れていないカップルが普通養子縁組を組む場合、カップルのどちらか一方としか法的な親子関係を結ぶことができません。
一方の特別養子縁組は、実親との親子関係を終了し、養親とのみ法的な親子関係を結ぶのが特徴です。普通養子縁組と違って、戸籍上婚姻関係にある夫婦しか子どもを受け入れることができません。
そのため、籍を入れられない同性カップルや事実婚の夫婦の場合、特別養子縁組で子どもを迎えることはできないため、普通養子縁組で子どもを迎えることを検討しましょう。
ステップファミリー
ステップファミリーとは、子どもを持ったパートナーと結婚・再婚してできた家族のことです。パートナーの子どもと法的な親子関係を結ぶことができる反面、当然血縁関係は持ちません。
ただし、現在パートナーがいる場合は、新たに子どもを持ったパートナーを探すことは難しく、子どもを迎えたいという目的だけでパートナーを探すことも困難でしょう。
まとめ
結婚方法や夫婦のカタチが多様化すると同時に、子どもの作り方も多様化しつつあります。具体的には、性交渉をともなう「タイミング法」以外にも、性交渉のない「シリンジ法」「人工授精」「体外受精」が挙げられます。また、「子どもを作る」のではなく「子どもを迎える」というのも子どもを設けるひとつの方法です。自分たちにとって最もよい方法を選択し、自分らしい家族のカタチを見つけてください。
カラーズに入会相談を申し込む
記事を検索する
関連の記事
人気の記事