LGBTのカミングアウトとは?アウティングとの違いやメリット・デメリット

LGBTのカミングアウトとは、自分のセクシャリティを周りに打ち明けることです。

セクシャルマイノリティの認知は少しずつ広がっているものの、自分のセクシャリティをカミングアウトする人は少ない傾向にあります。

「カミングアウトするかを迷っている…」「実際どのくらいの人がカミングアウトしているの?」といった悩みを抱えていませんか?

そこで、今回はLGBTのカミングアウトについて、アウティングとの違いやメリット・デメリットなどを詳しく紹介します。周囲にカミングアウトせずに結婚する方法も紹介していますので、気になる方は最後までご覧ください。

カミングアウトとは、自分のセクシャリティを周りに打ち明けることを意味します。欧米の同性愛者のあいだで使われていた「Coming Out of the closet」が語源です。

そもそもLGBTは、以下4つのセクシャリティの頭文字からきています。

最近では、Q(クエスチョニング)を加えてLGBTQと呼ばれることや、LGBTだけでセクシャルマイノリティの人全体を指す場合もあります。

セクシャルマイノリティの人がカミングアウトする相手の例としては、家族や親しい友人、職場や学校など、人によってさまざまです。しかし、日本はカミングアウトせずに生活している人のほうが多い傾向にあります。

実際にLGBTをカミングアウトしている人はどのくらい?

厚生労働省の調査によると、職場の誰か1人にでもカミングアウトしている割合は、レズビアン・ゲイ・バイセクシャルの人で7.3%、トランスジェンダーの人で15.8%という結果になりました。

つまり、LGBTの人の8割以上がカミングアウトしていません。「そもそもカミングアウトしたいと思わない」「メリットが特にない」「カミングアウトしなくても不便はない」「カミングアウトしたくてもできない」といった人が多いと予想できます。
参照:Ⅴ.調査結果のまとめ|厚生労働省

アウティングとの違い

カミングアウトと混同されやすい言葉のひとつがアウティングです。アウティングとは、本人の同意を得ることなく、本人のセクシャリティを第三者に暴露することを意味します。

アウティングはプライバシー権の侵害にあたるだけでなく、差別やハラスメントにつながる恐れもあり、さらには「カミングアウトした相手に裏切られた」という精神的ダメージを与えているかもしれません。

カミングアウトする側もされる側もアウティングによって起こりうる問題を理解し、アウティングはしてはならないものと認識することが大切です。

アウティングされたくない場合は、本当に信頼できる人以外には言わないことが懸命だと思います。

自分のセクシャリティを無理にカミングアウトする必要はありません。カミングアウトするしないで、さまざまな選択肢があります。

例えば、カミングアウトして自分のセクシャリティを謳歌する人や同性のパートナーを作る人、カミングアウトせずに生きていく人や異性と結婚する人、カミングアウトするかしないかを迷っている人などさまざまです。

カミングアウトしたらあと戻りはできませんが、「カミングアウトしていなかったらこうはできていなかったな」ということがあるかもしれません。反対に「カミングアウトしていなければ…」と後悔する可能性も考えられます。

今後の人生をどうしたいかと考えたとき、カミングアウトする人生、しない人生を選択して欲しいと願っています。

迷いがある人や今後どうしたいかがわからず決めかねている人で、「カミングアウトしたい!」という強い意志がなければ、カミングアウトしないほうがより多くの選択肢を残せるかもしれません。

カミングアウトすることはいつでもできますが、カミングアウトしたらあと戻りはできません。

LGBTをカミングアウトする際のメリットとデメリットは以下のとおりです。

▼メリット

  • セクシャリティを隠すストレスがなくなるかも
  • 「結婚しないの?彼女/恋人は?」など周りからの声がなくなるかも
  • 何かサポートが必要と思う人は、周りのサポートを受けやすくなるかも

▼デメリット

  • セクシャリティの差別やハラスメントを受ける可能性がある
  • アウティングされるリスクがある
  • 今後友情結婚の婚活をするうえで足かせになる可能性がある

それぞれの内容を詳しくみていきましょう。

●メリット①セクシャリティを隠すストレスがなくなるかも

カミングアウトすれば、自分のセクシャリティを隠さなくてよいため、「セクシャリティを隠さなければ」といったストレスが軽減します。

セクシャリティを隠すには、生まれたときに割り当てられた性を演じるために、着たい服を我慢したり、周囲に話を合わせたりするなどのストレスがあるでしょう。

しかし、カミングアウトすれば着たい服を着たり、本音を話したりできるようになるため、自分のセクシャリティを謳歌できるようになります。

●メリット②「結婚しないの?彼女/恋人は?」など周りからの声がなくなるかも

カミングアウトによって性自認や性的指向を理解してもらえれば、「結婚しないの?」「恋人は?」など、これまでストレスになっていた周りからの声がなくなるかもしれません。

世の中では「恋愛・結婚・出産が当たり前」という考え方が浸透しています。そのため、セクシャリティを知らない段階では、恋愛や結婚について聞かれる機会も多いでしょう。

しかし、カミングアウトによって本人にとって恋愛や結婚をすることが当たり前ではないことが伝われば、恋愛や結婚に関する周りからの声がなくなり、話を周りに合わせるといったことがなくなる可能性があります。

●メリット③何かサポートが必要と思う人は、周りのサポートを受けやすくなるかも

カミングアウトすることで、カミングアウトした相手にセクシャリティに関する相談をしたり、セクシャルマイノリティのコミュニティに参加したりするなど、周りからのサポートを受けやすくなります。

地域や企業によってはセクシャルマイノリティのための制度や保障を設けていて、カミングアウトすることでこのような制度・保障を活用しやすくなる点もメリットのひとつです。

▼デメリット①セクシャリティの差別やハラスメントを受ける可能性がある

セクシャルマイノリティに対して偏見を持つ人は決して少なくありません。カミングアウトをきっかけに差別やハラスメントを受ける可能性があります。

例えば、セクシャルマイノリティに対して理解の低い職場でカミングアウトした場合、セクシャリティを理由に仕事の評価を落とされることもあり得ます。

また、仲のよかった友人であっても、セクシャリティを理解してもらえなければ、関係性が崩れることも考えられるでしょう。

すべての人がセクシャルマイノリティを理解してくれるとは限りません。カミングアウトするのであれば、相手を見極めることが大切です。

▼デメリット②アウティングされるリスクがある

カミングアウトした相手が勝手に第三者へ暴露するアウティングを受けるリスクがあります。実際に、信頼できる相手にだけカミングアウトしたつもりが、いつのまにか周囲にも伝わっていた経験をした人もいます。

アウティングされることで与えられる精神的ダメージは少なくありません。カミングアウトする相手の性格や状況を見極めたうえで、アウティングはやめてほしいと伝えておくことなどが大切だと思います。

▼デメリット③今後友情結婚の婚活をするうえで足かせになる可能性がある

今後、友情結婚を視野に入れている人は、カミングアウトしたことが婚活の足かせになる可能性があります。

友情結婚を希望される方の多くはカミングアウトをしていません。結婚後もカミングアウトする予定はないという人が大半です。

もしカミングアウトした人と友情結婚する場合、結婚相手の周囲には「セクシャルマイノリティの人と結婚したということは相手もセクシャルマイノリティでは?」と、間接的に自分もセクシャルマイノリティであることがバレる可能性があります。

そのため、カミングアウトしている人とは結婚したくないと考える方が多く、友情結婚をするとなった場合、カミングアウトしていることが足かせになりかねません。今後、友情結婚をするかもしれないという人は、カミングアウトしないほうが無難でしょう。

「セクシャルマイノリティの人が結婚をするにはカミングアウトが必要では…?」「カミングアウトしたくない自分は結婚できないのかな?」と考えていませんか?たしかに自分のセクシャリティを理解してもらって異性と結婚するには、カミングアウトが必要です。

しかし、 セクシャリティをカミングアウトしたくない人は多い傾向にあります。このような場合は、友情結婚相談所の活用がおすすめです。

そもそも友情結婚とは、愛情や信頼などの気持ちのつながりをもとに婚姻関係を結ぶことで、夫婦間に性的関係を持たないこと以外は一般的な結婚と変わりありません。

友情結婚相談所であれば、自分のセクシャリティや希望の条件に合った相手を紹介してくれるため、周囲にセクシャリティをカミングアウトせずとも結婚相手を見つけることが可能です。

詳しくは「【カミングアウトの注意点】友情結婚が選択肢に入る方へ」↓↓

このように、周囲にカミングアウトせずに結婚する方法もあるため、カミングアウトするかしないかは後悔のないようゆっくり考えるとよいでしょう。

カミングアウトとは、LGBTをはじめとするセクシャルマイノリティの人が、自分のセクシャリティを周りに打ち明けることです。カミングアウトによって自分らしさを表現しやすくなる一方で、差別を受けたりアウティングされたりするリスクもあります。

カミングアウトをして自分のセクシャリティを謳歌する、同性のパートナーを作る、カミングアウトせずに異性のパートナーと結婚するなど、選択肢はさまざまです。

セクシャルマイノリティの約8割がカミングアウトしていないように、カミングアウトは必ずしもする必要はありません。

今後の人生をどうしたいかを考えたとき、カミングアウトをするかしないかを決めるとよいでしょう。後悔のないようゆっくり考えてみてください。

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代表中村
著者:代表中村

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