Vol. 19

友情結婚はバレないか

投稿日

2023.05.23

更新日

2023.06.07

こんにちは。カラーズに入会し、友情結婚(成婚退会)しました、佐藤です。
友情結婚を考えている方や、実際にお話を進められている方にとって、不安なことの一つに「友情結婚であることがバレないか」「友情結婚のことをどう説明するか」というのがあるのではないでしょうか。
私自身、活動中や成婚退会する際に、周りにどう説明しよう…ととても悩みました。
私も高橋さんも、友情結婚であることは親や自分の子どもにも一生伝えないということで一致していました。活動中から現在まで、どのように周囲に説明してきたか、ご紹介します。

目次

友情結婚活動中

友情結婚活動をしている時は、特に周りには婚活をしている等という話はしませんでした。話し合い期間中にお相手の方と街に出たりすると、もしかすると知っている人に会うかもしれない…というリスクは感じていましたが、(私が知っている限りでは)見られることなく、大丈夫だったかなと思います。もしそういった場面があるかもしれないので、理由は考えておいた方がいいかもしれません。

出会いのシナリオ作り

私と高橋さんは出会いのシナリオを作りました。もともと、高橋さんが住んでいた地域に昔住んでいたことがあったので、私が当時の友達と一緒に婚活パーティー(街コン)に行ってみたら高橋さんに出会った、という話にしました。
会場は実際に話し合いの時に使ったホテルにして、街コンの内容はネットで調べて、こういう感じかな?と話を合わせました。
結婚相談所を使ったと伝えるのに抵抗があり、共通の趣味も目立ってなかったので、なるべく事実に近しいようにしたくて「婚活パーティー」という場を選びました。
後述しますが、この設定は何回か周囲への説明に使いましたが、それほど深掘りされることもありませんでした。婚活パーティーやマッチングアプリなどでの出会いは、今はもう珍しくないからかもしれません。

成婚退会を意識してから①母への説明

成婚退会を意識し始めてから、親に伝えようと思い始めました。いざ成婚となったときに、急に「結婚する」と言っても驚かせてしまうし、相手は誰なの?と不安にさせるかもしれないと思ったからです。
当時、話し合い期間を最長期間まで延ばし、私は高橋さんと結婚するだろうなぁと思っていたとき、母と出かける機会がありました。もともと母とは仲が良く、一緒に出かけることも多かったので、このタイミングで話そうと決めました。
二人で夜ご飯を食べているときに「結婚を前提にお付き合いしている人がいる」と伝えました。なんと母からは「そんな気がした」と言われ、とても驚きました!
前述した出会ったきっかけや、高橋さんの住んでいる地域、仕事、人となりなどをその時すべて話しました。地元を離れてしまうこと、そのために転職を考えていることなども、ざっくばらんに伝えました。
母はすべて受け入れてくれましたが、後から聞くと、やはり急に高橋さんという存在が出てきたため、本当に良い人?大丈夫?と心配していたようです。
また、遠距離だったので「月に何回会ってるの?トータルそれだけで大丈夫なの?」と言われたりもしました。返答に少し悩みましたが、会う回数が少なかろうが結婚したいと思うほどの人なら、その直感を信じていいと思う、とも言ってくれました。
心配する親御さんもいるかもしれませんが、その点、私の母は非常に柔軟な考えだったように思います。

成婚退会を意識してから②父への説明

父への説明は、母より緊張しました(笑)
父が仕事に行く前に、少し時間をもらって「結婚を考えている人がいる」と言うと「好きなようにしたらいい」と言ってくれました。
ただ、地元を離れるとは思っていなかったようで、それだけはショックを受けていました。母よりは高橋さんと出会ったきっかけなどは聞かれなかったのですが、父は「(自分に)娘が生まれたからには、いつかは家を離れていく」という気持ちがあり、覚悟はできていたようです。

成婚退会後

引っ越しや転職も兼ねていたので、自ずと友人や会社への説明の場がありました。やはり遠方に行くことになるので「どうして○○(地名)に?お相手の仕事の都合?」と聞かれることが非常に多かったです。
私は都合よく、前述したように高橋さんが住んでいる地域に住んでいたことがあったので、「昔○○に住んでいたからさ~」と言うと、大体の人は(その時知り合った人なのかな)と勝手に納得してくれて、例のシナリオはあまり使いませんでした。嘘はついていないので、あえて詳細も話していません。
一方、人によっては「何きっかけで会った人なの?」と聞いてくることもありましたが、その時はシナリオ通りに話しました。最初は婚活パーティーと言うのも若干抵抗があったのですが、「あぁ、最近多いよね!」とあっさり受け入れられました。実際、私の周りも婚活パーティーやマッチングアプリきっかけで結婚した人も増えていると感じます。

転職・転居後

新しい会社に転職すると、やはり「何故○○(地名)からこんなところに来たの?」と聞かれることはとても多かったです。結婚がきっかけでと言うと、「お相手がこっちの人なの?」「どうしてこっちの人と出会ったの?」と聞かれたこともありました。
その際も、「昔この辺りに住んでいて…」と切り出すと、あぁなるほどね~と納得してくれました。
そのため、今思えば転居してからはシナリオの話は全くしていません。昔住んでいたことは嘘ではないですし、聞かれたら詳しい話をしようかな、という程度で思っています。

結婚して数年経ちますが、出会ったきっかけなどは全く聞かれないようになりました。
個人のプライベートを深く聞くことって、あまりないですよね。なので、今はもう考えたシナリオもすらすら言えるか危ういくらいになっています…。

実家・義実家にバレないか

結婚してから実家や義実家に一緒に行くこともありますが、全然バレる気配がなく、あまり心配もしていません。実家・義実家もともに少し距離があるので頻繁に会うこともないため、バレにくいというのもあるかもしれません。
恋愛結婚の場合はそういう人もいるかもしれませんが、親(特に義理の親)の前で手を繋いだり仲睦まじい様子を見せることってあまりないですよね。なので、そういう触れ合いが全く無くても怪しまれることはありません。
寝室が夫婦で別なことを少し突っ込まれたりしたこともありましたが、「今はそういうのも多いらしいしね」と言われて終わりました。
現在は子どももいますし、より家族としての結束も強まったのもあって、私自身「友情結婚してるんだ」という意識はほとんどありません。

バレないかひやひやしたこと

バレないかな?とひやひやしたのは、フォトウエディングのときでした。
私と高橋さんは結婚式を挙げず、親との顔合わせの食事会と、フォトウエディングをしました。カメラマンに、抱き着いたり密着度が高いポーズは後から見て恥ずかしくなるので、大人しいような感じにして欲しい…と事前にオーダーしていたのですが、手を繋いだり、寄り添うポーズの指定が何枚かありました。
親もいたので、ギクシャクしてないか、変じゃないか、とひやひやしていましたが、特に違和感を持たれることもなく終わりました。
今思えば、高橋さんと手を繋いだのはこの時が初めてでした。当時は「こんなポーズ嫌だ…」と思っていましたが、今振り返ると良い記念になったなと思っています。

意外とバレない!

友情結婚活動をしていた頃の想像より、実際は意外とバレませんし、怪しまれませんでした。そのためには事前準備としてシナリオをしっかり作ったり、お互いに親しい友人であっても話さない等、信頼関係を持って秘密を守る約束をする必要があると思います。
友情結婚であることを話す・隠さないという選択肢もありますよね。友情結婚は悪いことをしているわけではないので、出会いのきっかけについて嘘をつくことに少し抵抗はありました。けれど、もし友情結婚だと言って受け入れられる社会であるとは思っていませんし、実際どんな出会いでどんな結婚の形であったとしても、私たち家族は周りと何も変わらず、平和に幸せに暮らしています。振り返ると、自分たちが思うような生活ができて、幸せで、周りの人に迷惑をかけていなければ、少々嘘があっても些細なことだと思っています。前述したように、日頃「私たちは友情結婚なんだ」という意識は全くありませんし、出会いのきっかけや結婚の形がどうであれ、その後の生活にはほとんど影響ありません。
いずれは、恋愛結婚・友情結婚という区別がなく、色んな結婚の形があって、それを自然に受け入れている世の中になればいいなと思います。

sato
著者:佐藤

10代でノンセクシャルを知り、20代で恋愛結婚はできないと断念。一念発起してカラーズに入会後、友情結婚(成婚退会)しました。人工授精で子どもを授かり、現在は夫の高橋さんと協力しながら子育て真っ最中。元友情結婚活動者、結婚当事者のリアルな姿をお届けします。