Vol. 2

アセクシャルの私だから感じた「恋愛と結婚」について

投稿日

2023.06.23

更新日

2024.06.05

こんにちは、けちゅこです。

私はアセクシャルですが、カラーズさんから素敵なご縁を頂き、現在は夫と子供達、家族4人でワチャワチャ暮らしています。最近の私の幸せは、子供達が寝静まった後、お菓子をつまみながらTVerの水ダウを見て息を殺して笑ったりする1人時間が、ささやかな幸せとなっております。

子供が産まれる前は、夫婦でドラマやバラエティを見たり、協力プレイのゲームをやり込む事が多かったのですが、産まれてからはゲームをする時間はなくなり、子供が起きてしまうので夜はテレビも見れなくなりました。毎晩私はスマホでTVer(もしくは子供と共に寝落ち)、夫は24時間ジムへ通うようになり、各々の貴重な1人時間を楽しんでいます。

前回、自己紹介で私の思春期の時の葛藤をお話しさせて頂きましたが、もう少し深掘りしたいテーマだと思ったので、今回もお付き合い下さい。

目次

アセクシャルだからこそ気付けた事

中学生の時、自分にはまだ好きな人がたまたま現れていないだけ、と思っていたのですが、教室で友達数人と話していた時に、話の流れで「今まで誰かを好きになった事ない、男子に興味無い」と言った事がありました。今思うと立派なカミングアウトですね(笑)

深く悩んでいなかったからこそ、言えたんだと思います。

すると友人達から「それやばくない?」と言われ、「あ、私っておかしいんだ」と思いました。それからは周りに隠すようになり、恋愛の話になると、適当に話を合わせていました。無理していた時期もありましたが、 アセクシャルである事(当時は気付いていませんでしたが)を辛いと思った事は不思議とありませんでした。それは多分、恋愛に重きを置いて考えていなかったからだと思います。

受験や将来の夢について考える事の方が多かったり、部活仲間とアホな事をして笑ったり。
大人になってからは、推し活したり、友達とキャンプに行ったり、家族で旅行に行ったり。

もしも自分のセクシャリティで悩んでいる方がいらっしゃるなら、ご自分の周りにいる方に目を向けてみてはどうでしょうか。楽しい友達、安らげる家族のいる家、没頭できる趣味、、、

よくよく考えたら、「あれ?自分って人生輝いている方かも?」と気付くと思うんです。私がそうでした(笑)

私ってば人生輝いてんなァ〜!!なんて思っていた訳ではありませんが(相当やばいやつ笑)、類は友を呼ぶと言いますか、恋愛体質ではない私の周りには、似たようなサバサバした友達が多かったです。周りのおかげで鬱々とならずに笑って過ごせました。本当に感謝しています。

ポジティブに考えて自己肯定感上げてました

高校生の頃は、何で自分は人を好きにならないのかな?そもそも恋愛感情ってどうして必要なのかな? 「好き」から「愛」に変わるなら、最初から「愛」でもよくないか?など悶々と考えていました。10代っぽいですね(笑)

ちなみに大人になって自分なりに出した答えですが、人を好きになる理由の1つとして、10代など若いうちは、「コミュニケーション能力を養う為」なのではないか、と思いました。好きな人が出来たら、こんな事をしたら好かれるかも、こう言ったら嫌われるかも、とか色々考えますよね。若いうちの恋愛は、コミュ力を養う為だと考えました。

でも、自分は人を好きにならない。これって・・・自分にはもうコミュ力があるから大丈夫って事なのかも?とポジティブ変換していました(笑)

そして大人になってからの恋愛は、「結婚する為のドーピング」だと考えました。 結婚して最初はラブラブでも、だんだん「恋人」から「家族」になりますよね。

最初のラブラブモードがないと、人って結婚しないからじゃないか?でも結婚しないと繁栄せずに滅びてしまうから、人を好きになるように脳が指令出してるんじゃないか?と考えました。

でも、自分は人を好きにならない。これって・・・自分はもう人を愛する事ができるって事じゃないか?ドーピングでごまかさなくても、結婚できる素質を持ってるって事じゃないか?とこれまたポジティブ変換(笑)でも改めて文字にしてみると、自分ってやばいやつだなって思いました(笑)

また、若い女の子に甘いおじさんや、若い男の子に甘いおばさん、みたいな図ありますよね。これは別にいいのですが、逆に厳しい人いますよね。女性には甘いけど、男には厳しい男性や、その逆パターンのおばさんとか。そういう人を見ると、「私は平等に接する事ができる人間で良かったなぁ」と思います。性別に関係なく平等に人を見る事ができる、というのもアセクシャルの良い所だと思います。

アセクシャル当事者として言いたい事

前回の記事でも書きましたが、私はアセクシャルである事を隠して(当時はレズビアンという自認でしたが)お付き合いしていた方がいました。その方の大事な5年間を私の体裁保持のために無駄にさせてしまいました。社会に溶け込めている感覚というのは、安心感をもたらしてくれました。でも、それだけです。

当時は相手への申し訳なさよりも、我が身の可愛さしか考えていませんでした。もしも同じような境遇の方がいらっしゃるなら、後悔しない選択をして欲しいです。一生自分を苦しめる事になりかねません。

大人になってからポジティブ変換できましたが、当時は出来なかった為に、お相手にも迷惑をかける事になってしまいました。私が本当に彼の事が好きでも、もしかしたら結婚には至らなかったかもしれませんが、好きならもっと早く別れられていたと思います。相手に興味が無かったゆえに、相手の宗派に気付く事ができませんでした。。。

その点、今は心穏やかに暮らせています。自分の選択に納得しているからです。そう考えると、友情結婚をして良かったな、と思います。

友情結婚にも愛は生まれる?

友情結婚とはいいますが、世間でいうお見合い結婚と大差ない気がします。それに、好きじゃなかったけど子供ができたから仕方なく結婚したって人もいますよね。恋愛結婚した人だって、何年も経ち、冷め切った仮面夫婦だってたくさんいると思います。

少し前に、お見合い結婚をした老夫婦のインタビューをたまたまテレビで見る機会があったのですが、奥さんが「結婚した最初のうちは、全然この人(ご主人)の事好きになれないし、辛くて毎日泣いてた。なんなら今も別に好きじゃない」と笑いながら仰っていました。隣にいるご主人さんも笑っていました。

確かに好きじゃなかったかもしれないけど、最後まで添い遂げたご夫婦の間には、愛があったんじゃないかなぁ、と思います。それならば友情結婚にだって愛は生まれるのではないでしょうか。そう思いたいだけかな(笑)

セクシャリティに原因はなく「個性」である

過去のトラウマを探ってみたり、何か原因があるんじゃないか?とか考えていた時期もありましたが、原因なんて無いし、1つの個性に過ぎないのだと気が付きました。

全体の割合は少ないかもしれないけど、「ゴキブリが好き」「暗い所が苦手」「大谷翔平に興味無い」って人は一定数いますよね。それと同じなのかな、と思います。私は大谷選手が大好きなのですが、興味無い人からしたら毎日ニュースを見てうんざりしているかもしれませんね(笑)

でも「なぜ大谷を好きになれないのだろう」と、原因を考える人はあまりいないと思います。周りも「大谷の事好きにならないなんておかしいよ」って言ってくる人はあまりいないと思います。「そうなんだ〜」で終わる話ですよね。人それぞれだよね、って。セクシャリティもそれと同じではないでしょうか。人それぞれだよね、って。

原因を考えるより、個性だと思えば、ラクに生きられるような気がします。

終わりに

今、私には娘と息子がいますが、セクシャリティには敏感になってしまうといいますか、、、

女の子だけど車が好き、男の子だけどドレスが着たいと言うんですね。個性の1つだと自分で言いながらも、周りには「女の子だけど車が好きで〜」「ドレスに興味があるみたいで〜」と、いちいち説明してしまう自分がいます。それは、私が周りの目を気にしているからなのでしょうね。。。ううっ!精進します。

まだ幼いのでセクシャリティは分かりませんが、早めに気付いてあげて、全肯定してあげたいな~と思いながら、自分の心にもしれっと釘を刺しつつ。

kechuko
著者:けちゅこ

アセクシャルで二児の母。 2018年にカラーズ に入会し、7ヶ月間の活動を経て、現在のパートナーと出会い、成婚退会。シリンジでの妊活経験や、アセクシャルである事の悩みなど、マイノリティだからこそ、この経験をもっと共有していくべきでは、と思い、ブログに参加する事に。名前の由来は娘のおしりの呼び名から。