Vol. 31

友情結婚の妊活~シリンジ法~

投稿日

2025.01.18

こんにちは。カラーズに入会し、友情結婚(成婚退会)しました、佐藤です。

私はパートナーである高橋さんと、一人目の子どもを人工授精で授かりました。二人目については、人工授精ではなく「シリンジ法」をしました。
友情結婚の場合は性行為をしないため、子どもを望むのであれば、まずは「シリンジ法」を選ぶ方も多いのではないかと思います。

「Vol.9友情結婚の妊活」で記載した通り、一人目の時はシリンジ法はほとんど考えず、最初から人工授精を選択しました。

シリンジ法というやり方があるということは知っていたのですが、選択しなかった理由としては、私自身に抵抗があったのが一番大きかったと思います。
まず第一に、自分たちで行うというところに生理的な嫌悪感がありました。初めて人工授精をしたときもそうでしたが、どうしても不快感は拭えませんでした。

今思うと、結婚して生活が落ち着いてきてから妊活に臨んだとはいえ、高橋さんと出会ってからそこまで年月は経っていませんし、心から素を出して家族のように接しているかというとそうではありませんでした。
まだまだ「他人」の意識が強い時期の妊活だったため、気持ち悪さが強く残っていたのかもしれません。

人工授精のメリットは、前述した点から言うと不快感が軽減したことが大きかったです。衛生面でも安心しますし、人工授精は一瞬なので、「妊活してる!」というよりも治療のような感じがしていました。また、卵胞のチェックもあるのでタイミングを逃すことが少なく、その点では効率的にできたかと思います。

一方でデメリットは、やはりお金と時間がかかることでした。今は人工授精も保険適用になっていますが(回数制限あり)、私が妊活をしていた頃は保険適用外だったため、1回につき1~2万円程かかっていました。月に1回の人工授精の他にも、卵胞チェックや必要であれば検査もあり、その分費用はかかります。

卵胞チェックは月1~2回行くため、人工授精当日と含めて月2~3回は病院に通っていました。妊娠可能性が高まる期間(人工授精ができる期間)は月に1回で数日のみになりますので、仕事や病院のお休みの日等が重なるとトライできない時もあります。その辺りの調整が一番大変でした。

二人目の妊活も、最初は人工授精から始めました。お金はかかるものの共働きなのでなんとかなりましたし、一人目も人工授精で授かったし…という理由からでした。

何度か人工授精をやったものの、結果的には止めてシリンジ法にシフトしました。デメリットでお伝えした通り、時間の制約がとても難しかったからです。
二人暮らしの時は仕事の都合さえつけばなんとかなりましたが、上の子がいるだけで「日程調整」のハードルがぐんとあがりました。

病院によっては子どもNGのところもありますし、待ち時間なども多い中で毎回子どもを連れて行くことも現実的ではありません。どちらかが子どもを見なければいけない中、それを毎月調整するのがとても難しかったです。

だんだんストレスに感じ、ふと「シリンジ法、試してみる?」という話になり、シリンジ法をやってみることにしました。

シリンジ法で使用するシリンジは、ネットで購入しました。特にこだわりはなく、レビューが良い商品を選びました。メーカーにもよりますが、1回あたり500円程度でした。

また、病院で行っていた卵胞チェックの代わりに排卵日がわかるよう、排卵検査薬もネットで購入しました。こちらも1本200円くらいで、1ヶ月(1周期)で4~5本使用するので、シリンジ代と合わせてトータルで2,000円かからないくらいになります。

人工授精が保険適用でも8,000円くらいかかっていたので、かなり安価なことがわかるかと思います。人工授精の方は着床を助けるお薬の処方があったり、場合によっては処置などもあったため安心感はあるかもしれませんが、手軽さでいくとシリンジ法は非常に楽でした。

初めてシリンジ法をするときは少し緊張したのを覚えています。
まず私が子どもを寝かしつけている間に高橋さんに準備してもらい、終わったら部屋の前にシリンジを置いてもらうようにしていました。子どもを寝かしつけてから私がそれを持って行き、注入するという流れです。

生理的な嫌悪感が無いと言えば嘘になりますが、暗い中で行っていたら直視することはないですし、気になるときはビニール袋やタオルを駆使すれば直接触ることもなく使用できます。いざ注入した時の第一印象は「えっ、これで終わりでいいんだよね?」でした。

人工授精をしていた時は、仕事の調整をして病院に行き、病院で待ち時間を過ごし、人工授精をしてもらって会計でまた待ち、急いで家に帰って家事をして子どもの対応して…という感じでとても慌ただしかったです。また、病院では医師に内診をしてもらう必要がありますが、それが毎回緊張もしますし、ストレスに感じていました。
シリンジ法だとそれが無く、トライしようと思えばすぐ出来る手軽さに、ちょっと感動しました。

なかなかシリンジ法のことを詳しく書く友情結婚者はいないかと思いますので、思い切って書いてみようと思います。

まずタオルを1枚準備して、腰~お尻の下に敷きます。私は前述の通り生理的嫌悪があり、なるべく触りたくない・見たくないという気持ちがあったため、もし零れてしまったときのための対策をしていました。
また、採取後のシリンジはあまり直接触らず、ビニール袋越しに触っていました。注入したあとはそのままくるっと袋に入れて破棄できるので、効率は良かったかなと思います。
それでも注入した後は垂れてくることがあるので、キッチンペーパーで拭いたり(ティッシュだと薄くて心許なかった…)、ナプキンを事前に準備していました。

1回目はあまり対策が出来ていなくて慌ててしまいましたが、何度かやってみると自分もストレスに感じないレベルでシリンジ法を試すことができました。

もしあまり嫌悪感が無いという方、スケジュールや費用面で不妊治療という形をとるのが難しいという方は、ぜひシリンジ法を試してみてください。

sato
著者:佐藤

10代でノンセクシャルを知り、20代で恋愛結婚はできないと断念。一念発起してカラーズに入会後、友情結婚(成婚退会)しました。人工授精で子どもを授かり、現在は夫の高橋さんと協力しながら子育て真っ最中。元友情結婚活動者、結婚当事者のリアルな姿をお届けします。