相性や条件は一度忘れて、まずは目の前の相手をきちんと見ることを意識

子供が欲しかったからです。
これまで脈々と続いてきた命のバトンタッチを自分の代で終わらせることへの罪悪感が自分の中にありました。
その頃知り合ったゲイの友達がたまたま友情結婚活動中で、ゲイでも（性行為を伴わないという意味で）結婚が可能ということを知り活動を開始しようと思いました。

活動当初はSNSや掲示板・アプリ等を通じて細々と活動をしていました。何人かと交流をしていたもののいまひとつ煮え切らない方が多く活動の限界を感じていました。
カラーズさんは当初は敷居の高さを感じて尻込みしていましたが自分の年齢などを考えて、もう今のやり方では埒があかないと思い入会を決断しました。

セクシャリティという利害の一致があるからこそ建設的な話し合いができると思っていたのですが、消極的で会話がキャッチボールにならなかったり、反対に好戦的で会話がバッティングになっているような方が少なからずおり「話し”合い”になっていないな」と感じることがありました。
とはいえ、そういう方もいたというだけでSNSなど他の活動ツールに比べればきちんとした方は多かったです。

まずは人となりを知るために話し合い冊子をとにかくじっくり一巡しました。その際、もし相反する項目があってもその場で無理に擦り合わせることはせず「何故こういう記載をしているのか」という考えの部分を掘り下げてとにかく人となりを知ることを優先しました。一見「？」と思う記載でもよくよく聞いてみると、あとの方の項目と繋がっていたり本当にこだわりたいことは別にあってあくまでも１つの提案として記載されているだけだったりということもありました。

その後は週一程度でオンライン通話と近場で外出を繰り返す時期を挟み、人となりを互いにある程度理解した状態で最終的なすり合わせを改めて実施しました。

特段詳しく話す機会はありませんでしたが、話し合い冊子の項目として話題には出しました。

外出した際に周囲の人に気を配れたり思いやりのある言動をされているところを見て良い人だなと思いました。
また、きちんと会話がキャッチボールになることも決め手だったかと思います。
この人とならこの先何かあっても話し合いで解決することができるなと自分の中で結論づけることができました。

ストレートの恋愛結婚と違って体の繋がりで関係性を深めたり修復することができない分、相手を思いやる気持ちや感情的にならず話し合えること（話し合おうとすること）が大事なのではないかと考えています。

「友情」というよりは「同志」や「仲間」といった方が表現として近いような気がします。

活動当初は「母数が少ないから断ったら次がない」という焦燥感が先行しまい「この人、ちょっと合わないな」という違和感があっても交流を継続することが多かったです。
当然、そうした方とは長続きするわけもなく断られることばかりで一時期活動を断念しようと思っていました。
決して高慢になってはいけないですが、「合わない人」というのはどうしても存在します。
相性や条件は一度忘れて、まずは目の前（画面の向こう）の相手をきちんと見ることを意識したことで僕の場合は状況が好転できたかなと思います。

困った時には協力して助け合うような間柄、世間から見たらありきたりだとしてもその家庭にしかない日常の一コマ一コマを大切にした穏やかな生活を送りたいと考えています。

入会当初は焦りや辟易とする感情になることが多かったのですが、スタッフの方にたくさんのアドバイスをいただくことで自分の中での活動のあり方を上手に変えることができました。
婚活は自分とお相手との縁も大事ですが、活動を支えてくださるスタッフの方との面談１回１回も今振り返ると今回の成婚に繋がる縁だったのかなと感じています。
サポートいただきありがとうございました。

カラーズさんでは卒業生を対象にした交流の場を設けていますが、同じように情報交換ができる場が活動中にあったらよかったなと思います。
婚活中の人間同士が馴れ合う場というよりはスタッフの方に聞くまでもないようなちょっとした疑問（お見合いの時に着る服装等）を質問し合える掲示板のようなものがあればより活動しやすかったなと思います。